Daisuke ITO

ONFAdd Gallery

2019.12.11

ONFAdd Galleryでは、12月6日(金)-12月18日(水)の期間、写真家・秦野市市議会議員として活躍する、伊藤大輔の写真展およびコラボレーションアイテム販売を行います。
最終日にはクロージングセッションとして、ゲストを招待したトークセッションを行う予定です。詳細はおってご連絡いたしますので、お楽しみに。

本展に寄せて
はじめて伊藤大輔の写真をみた時、スクリーン越しにも関わらず、作品の誠実さに心が震えた。
モノクロのイメージに映るのは、少年たちと彼らが暮らす経済的に豊かではない環境。けれど、まばゆいエネルギーを放ちながら、彼らは強く輝いている。作為的に引き出されたものではなく、ファインダーの前で、彼らが真に輝いていたことが伝わってくる。自分の肉体が感じたまま、目の前の出来事を尊重し、作品に昇華させている素晴らしい写真家だ、と思った。
インタビューを読み、打ち合わせで対話すると、その感覚は確からしいことがわかる。眼前の事象に、自分の頭と身体を駆使して応えることをいとわない姿勢が、ひしひしと伝わってきた。しかも、応答の矛先は写真に限らないのである。居住している地域の水問題に触れ、手と足を使って状況を知り、声をあげる必要を感じた結果、市議会議員となったそうだ。
とめどないバイタリティに驚きつつ、彼のスタイルが、ONFAddが理想とする姿勢を体現していることを噛み締めていた。
いまや、情報の拡散は当たり前になり、それなりにディープな内容さえも、デバイス越しに鑑賞できるようになった。表面へのアクセスが容易になり、表層で「わかった」気になることもお手軽になっている。
けれど、目の前の出来事を自身の目で見つめ、手、足、頭を全力で動かして捉える姿勢こそが、クリエイションの土壌で、ひいては人間として生きる上で、死守すべきものではないだろうか。
そのような、土地も職能も飛び越えて、目の前で起こっていることへ向き合っていく態度を「現場主義」と名付けるならば、私たちONFAddは現場主義者の集団である。
そして、伊藤大輔も徹底した現場主義者であり、彼の写真は鑑賞者も同じ地平に引きあげる強い力を持っている。今回のエキシビションでは、キューバの都市、losolmoのボクシングジムを撮影したシリーズを中心に展示する。彼のまなざしを通して、遠く離れた土地に足を運ぶこと、すなわち、現場に参加することの醍醐味を想像してほしい。

◆ スケジュール
2019年12月6日(金) – 12月18日(水)
14:00 – 20:00(※月曜定休)
◆ 場所
ONFAdd gallery
〒153-0044
東京都目黒区大橋1-1-8 エバーヒルズ池尻大橋 2F

◆ 写真家紹介
1976年宮城県仙台市生まれ。明治大学卒業後、スペイン、バルセロナのIDEPにて2年間写真を学ぶ。その後中南米に渡り、ブラジル、リオデジャネイロのスラム街にて活動を開始し写真家となる。2016年帰国。現在は写真家兼秦野市議会議員。

 

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